<< 「Dunia」DVDの販売サイト | main | 映画「Dans la Vie」パンフレットより >>

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

スポンサードリンク * - * * - * -

フランスのイスラム住民を描いた映画「Dans la Vie」

映画「Dans la Vie」画像

2008年にフランスの映画館で公開された「Dans La Vie」という映画を見てきました。

軽いタッチで笑わせてくれるいい映画なんですが、とても深いテーマの映画でした。

だいたいのストーリー

2006年夏、南仏のトゥーロン。

イスラムとユダヤ系の衝突が世界のあちこちで広がり、毎日、パレスチナ、イスラエル、レバノンなどで死傷者のニュースが絶えない中、フランスに移民した両住民の間の感情も悪化していました。

フリーの看護婦(フランスには、病院に所属せず、自分の診療所を持ったり、往診に行く看護師さんがいます)のセリマは、アルジェリア系2世。

完全介護が必要なのに、ワガママ放題でどんな看護婦さんもすぐクビにしてしまう、車椅子のユダヤ系のおばあさん、エステルの看護に行き、なぜか気に入られてしまいます。

成り行き上、もう一人介護の人が必要になり、セリマは、自分の母ハリマを連れてくることに。

ハリマには、最初は、「人種差別」的な感情がありますが、実は同じアルジェリア出身のフランス移民一世であることから、話が盛り上がり、二人の間には不思議な友情が育ち、エステルは、息子の出張中、ハリマの家に住むことに…

ところが、ハリマの周囲のイスラム系住民は、「ユダヤ人と仲良くすることは、イスラムの戒律に反するのでは?」とハリマの行動を批判し始めて…

結局、ハリマと夫のアリは、エステルの介護で得たお金を元手に、メッカ巡礼をすることになり、エステルとハリマの友情を受け入れたイスラム・コミュニティは、太鼓とザカリート(レレレレレ〜!)で、ハリマたちの出発を見送ります…

督:フィリップ・フォーコン

タイトルのDans la Vieは、日本語に訳すと、「人生いろいろ」というところでしょうか…?

ディテールがとてもしっかり描かれている映画で、書きたいことが色々浮かんで困ります(笑)

主役ハリマは、映画の中で、夫に仕え、子供を育てることだけで精いっぱいの人生を送り、メッカに巡礼することが夢、という敬虔なイスラム移民1世女性の役なのですが、実際に、彼女を演じたゾーラ・ムーフォクは、別に女優でもない普通のおっかさんで、映画の中もアルファベットを学習する教室に通っていますが、実際に文盲なので、セリフは娘と一緒に覚えたんだそうです。

また、映画会場に置いてあったパンフレットには、イスラムとユダヤの関係について、非常に面白い記載があったので、今度機会があったら、転載したいと思います。

以前、紹介した「レオ・アフリカヌスの生涯」にもユダヤ人とイスラム系の友情が描かれていますが、ユダヤとイスラム系は、ずっと隣人として共存していたわけで、ガザ地区のような状況がずっと続いていたわけではないことが良く分かります。

ハリマの家に住み始めたエステルが、ハリマの家にあるアルジェリアの音楽(と思われる)をかけて、セリフもなく聞き入るシーンがあるんですが、解説を読むと、北アフリカに住んでいたアラブ系もユダヤ系も、同じ音楽を聴き、同じ言葉を話し、同じ料理を作っていたことが分かり、これも彼女たちの共通のルーツなんだ、ということが分かります…

映画自体は、フランス語なんですが、アルジェリア系同士では、アラビア語で話したり、フランス語が混じったり…で、字幕が多用されていました。

個人的には、看護婦さんのセリマが、去年のベリーダンスの先生(アルジェリア系)にそっくり(鼻が違うけど)だったり、お母さんのハリマが、娘の友達のチュニジア人のお母さんにそっくりで、話し方やアクセント、アラビア語の混じる会話のパターンもそっくりだったり、どれも、フランスでよく見かける状況…という感じで、フランスの移民社会を、とても正直に、でもとてもコミカルに描いている映画だと思いました。

日本語の解説が出てくるサイトがなかったので、たぶん、日本で公開されることはないんだろうと思いますが…

こういう映画こそ、日本で紹介してほしいと思います。

JUGEMテーマ:映画の感想 
サラ * フランスのアラブ世界 * 17:15 * comments(2) * -

スポンサーサイト

スポンサードリンク * - * 17:15 * - * -

コメント

面白そうな映画ですね!人種や民族など重くなりがちなテーマを軽妙に、でもズバッと切り込んで核心を突くのはフランスのお家芸ですね♪こういう映画が日本でも見られることは、これからの日本の社会にとっても良い参考になると思います。ユダヤとアラブの対立にしても、どうして世界中どこもかしこも隣人同士は仲が悪くなるのでしょう。近親憎悪とか、利害が重なる部分が多いからとか色々ありますが、他者との共存は人類の永遠の課題ですね。この作品が日本でも近々公開されることを願います。
Comment by MONA @ 2009/04/06 11:35 PM
■MONAさん、

ほんとに、日本でも公開してほしいです。
おっしゃる通り、フランス映画ならでは、という切り口だったと思います。

フランス語の批評を読むと、「つまらない、非現実的、ハリマと一緒にメッカに行ってしまいたいような、ひどい町だ」(笑)などと書いている人もいましたが、私は十分面白かったし、見に行って良かったし、この街(舞台はトゥーロンらしい)にも希望が持てると思いました。

映画の中でも、「フランス人がやってくるまでは…」という言い方をしていましたが、実際に、普通の隣人だったアラブ系とユダヤ系が、今のように憎しみ合うようになるのは、やはり植民地政策で、差別化して統治しやすくするためではないのか?と思ってしまいます。

この監督、モロッコ生まれだそうです。奥さんと思われる同じ苗字の共同制作者は、名前(Yasmina Nini-Faucon)からして完全にアラブ系だと思います。
南仏のイスラム系を描いた映画を他にも作っているようで、もうひとつ、マルセイユの15歳の女の子の生活を描いた「Samia」という映画があるので、これも見に行ってみたいです。
Comment by サラ @ 2009/04/07 5:15 PM
コメントする









このページの先頭へ